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2008年10月14日 (火)

知的財産法を勉強する必要性(調停手続きの経験から)

今年、音楽著作権に関する調停手続きを扱いました。

某音楽著作権協会から、ある公演においてその協会の管理著作物を使用したから使用料と遅延損害金を支払えと言われたケースです。

その協会が行ったその使用料の算定方法があまりにもおおざっぱでした。

入場料、会場の定員に応じて算定して、1回の公演で10曲を利用しただろうから、○○万円支払えというのです。

そのときの入場者数ではなく会場の定員を基準に算定することも多少問題があると思いますが、10曲という何ら根拠のない数には首を傾げざるを得ません。

公演では、ほとんど、著作権の存続期間(原則として創作から著作権が発生し、著作者が死亡してから50年経過後に消滅します。著作権法51条)が切れている曲を扱っていたため、最終的には請求額の3分の1程度で決着しました。

権利侵害を主張された場合、まず一番にしなければならないことは、その主張する相手が権利者であるかを確かめることです。

知的財産権の場合には、権利者や権利内容が明らかではないため、特にその確認が必要になります。

たとえば、特許権の侵害を主張されたならば、まずはその権利者・権利内容を特許公報・特許原簿で確認し、場合によっては特許自体を無効にするために審判手続を請求することもあります。

特許を無効にすべき旨の審決が確定したときは、特許権は、はじめから存在しなかったことになります(特許法125条)ので、特許権の侵害ということもあり得ませんからね。

著作権は、何ら登録などの手続きを必要とせず、著作物の創作によって権利が発生しますので、その権利者や権利内容が特許権よりも不明確な部分が多いのですが、少なくとも、請求者が著作権の管理者か、著作権の存続期間はすぎていないか、例外的に著作物を使用できる場合(私的使用の場合など)に該当しないかについて、調査すべきです。

今や知的財産法は、法律家のみならずビジネスマンにとっても、知っていて当然の法律になっています。

PS.特許権侵害を主張されたときに、「私には先使用による通常実施権(特許法79条)があります。」と主張することもありますよ!

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