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2008年7月12日 (土)

最高裁判決!!運転者の過失を同乗者の過失として相殺 (判決全文あり)

パトカーとAが運転していた自動二輪車とが衝突し、自動二輪車に同乗していたBが死亡したため、Bの相続人がパトカーの運行供用者に対して損害賠償を請求した事案において、平成20年7月4日、最高裁は、過失相殺をするにあたりAの過失をBの過失として考慮しうるとしました。

原判決は、「AとBとの間に身分上、生活関係上の一体性はないから、過失相殺をするに当たってAの過失をいわゆる被害者側の過失として考慮することはできない」としたのですが、最高裁は、次のように判示して原判決を破棄し、本件を原審に差し戻しています。

「本件運転行為に至る経過や本件運転行為の態様からすれば、本件運転行為は、BとAが共同して行っていた暴走行為から独立したAの単独行為とみることはできず、上記共同暴走行為の一環を成すものというべきである。したがって、上告人との関係で民法722条2項の過失相殺をするに当たっては、公平の見地に照らし、本件運転行為におけるAの過失もBの過失として考慮することができると解すべきである」

<コメント>

被害者側の過失について、「被害者側の過失とは、被害者と身分上ないしは生活関係上一体をなすとみられるような関係にある者をいう」とされています。

これは重要なメルクマールであることは確かです。

例えば、最判19・4・24判時1970・54において、「内縁の夫が運転する自動車に同乗していた内縁の妻の被害について、内縁の夫の過失を妻の過失として相殺できる」としています。

しかし、被害者と身分上ないしは生活関係上一体をなすとみられるような関係になくても、本件事案のように、被害者が加害行為に与えた影響が大きく、被害者の行為と相まって加害行為がなされた場合には、被害者側の過失として考慮することができるでしょう。

この場合には、被害者側というより、被害者自身の過失と言えるのかもしれません。

判旨の「本件運転行為に至る経過や本件運転行為の態様」については、最高裁判所の判例検索システムにて判決全文を読んで、確認してしてください。

http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=02&hanreiNo=36583&hanreiKbn=01

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