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2008年7月 3日 (木)

最高裁決定!!個人的メモでも証拠開示命令の対象!?(決定全文あり)

 「原々決定が開示を命じた「本件保護状況ないし採尿状況に関する記載のある警察官A作成のメモ」(以下「本件メモ」という。)は、同警察官が私費で購入してだれからも指示されることなく心覚えのために使用しているノートに記載されたものであって、個人的メモであり、最高裁平成19年(し)第424号同年12月25日第三小法廷決定・刑集61巻9号895頁にいう証拠開示の対象となる備忘録には当たらないから、その開示を命じた原々決定を是認した原決定は違法である」ことを理由とした抗告に対して、平成20年6月25日、最高裁は、次のように判示しました。

犯罪捜査に当たった警察官が犯罪捜査規範13条に基づき作成した備忘録であって、捜査の経過その他参考となるべき事項が記録され、捜査機関において保管されている書面は、当該事件の公判審理において、当該捜査状況に関する証拠調べが行われる場合、証拠開示の対象となり得るものと解するのが相当である(前記第三小法廷決定参照)。そして、警察官が捜査の過程で作成し保管するメモが証拠開示命令の対象となるものであるか否かの判断は、裁判所が行うべきものであるから、裁判所は、その判断をするために必要があると認めるときは、検察官に対し、同メモの提示を命ずることができるというべきである。これを本件について見るに、本件メモは、本件捜査等の過程で作成されたもので警察官によって保管されているというのであるから、証拠開示命令の対象となる備忘録に該当する可能性があることは否定することができないのであり、原々審が検察官に対し本件メモの提示を命じたことは相当である。検察官がこの提示命令に応じなかった本件事実関係の下においては、本件メモの開示を命じた原々決定は、違法ということはできない。」

<コメント>

実は、本決定では個人的メモが証拠開示命令の対象となるかについては述べていません。

本件メモが証拠開示命令の対象となるかについて、最決平成19年12月25日の示した規範にあてはめて、本件メモが証拠開示命令の対象となりうるとしただけです。

本件メモが個人的メモの域を超えうると考えたのかもしれません。

タイトルに書いておいて申し訳ないのですが、本件メモが個人的メモに該当するか否かは重要ではないのでしょう(>_<)

証拠開示命令の対象となるか否かの判断基準やその基準を導く理由が重要ですtennis

まずは、平成19年12月25日の最決をしっかり読んでからですな~

以下のリンクは判例検索システム(最高裁)です。

最決平成20年6月25日(本決定)

http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=02&hanreiNo=36535&hanreiKbn=01

最決平成19年12月25日(参照決定)

http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=01&hanreiNo=35535&hanreiKbn=01

刑事訴訟法の証拠開示命令、民事訴訟法の文書提出命令、会社法の会計帳簿等閲覧謄写請求など、攻撃防御を有用なものとするため又は適切に権利を行使するため、相手方又は第三者に対する書類の開示請求、事前の証拠収集手続きは重要視されてきています。

これらの制度がうまく機能すれば、訴訟経済上のメリットも大きいでしょう。

新司法試験論文式試験において、何度問われてもおかしくない分野です。

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