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2008年7月30日 (水)

民訴16条2項に基づく判断は地裁に裁量あり (判決全文あり)

不当利得返還請求訴訟を大阪地方裁判所に提起したところ、被告が大阪簡易裁判所を専属的管轄とする合意が成立していると主張して、民訴16条1項に基づき本件訴訟を大阪簡易裁判所に移送することを求める申立てをした事例です。

本件は移送申立て却下決定に対する抗告審の取消決定等に対する許可抗告事件ですが、平成20年07月18日、最高裁は決定で次のように判断し、移送申立ての却下決定を正当とし、原々決定に対する抗告を棄却した。

「民訴法16条2項の規定は、簡易裁判所が少額軽微な民事訴訟について簡易な手続により迅速に紛争を解決することを特色とする裁判所であり(裁判所法33条、民訴法270条参照)、簡易裁判所判事の任命資格が判事のそれよりも緩やかである(裁判所法42条、44条、45条)ことなどを考慮して、地方裁判所において審理及び裁判を受けるという当事者の利益を重視し、地方裁判所に提起された訴訟がその管轄区域内の簡易裁判所の管轄に属するものであっても、地方裁判所が当該事件の事案の内容に照らして地方裁判所における審理及び裁判が相当と判断したときはその判断を尊重する趣旨に基づくもので、自庁処理の相当性の判断は地方裁判所の合理的な裁量にゆだねられているものと解される。そうすると、地方裁判所にその管轄区域内の簡易裁判所の管轄に属する訴訟が提起され、被告から同簡易裁判所への移送の申立てがあった場合においても、当該訴訟を簡易裁判所に移送すべきか否かは、訴訟の著しい遅滞を避けるためや、当事者間の衡平を図るという観点(民訴法17条参照)からのみではなく、同法16条2項の規定の趣旨にかんがみ、広く当該事件の事案の内容に照らして地方裁判所における審理及び裁判が相当であるかどうかという観点から判断されるべきものであり、簡易裁判所への移送の申立てを却下する旨の判断は、自庁処理をする旨の判断と同じく、地方裁判所の合理的な裁量にゆだねられており、裁量の逸脱、濫用と認められる特段の事情がある場合を除き、違法ということはできないというべきである。このことは簡易裁判所の管轄が専属的管轄の合意によって生じた場合であっても異なるところはない(同法16条2項ただし書)。」

<コメント>

民訴16条2項の趣旨、専属的合意管轄と民訴16条2項との関係、簡易裁判所の特徴を考える上で、参考になる事例です。

<本件判決の全文(最高裁判所の判例検索システム)>

http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=02&hanreiNo=36642&hanreiKbn=01

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