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2008年7月 2日 (水)

最高裁判決!!民法708条の趣旨から損益相殺不可とした (判決全文あり)

 米国債を購入すれば高配当が受けられるなどとして、その購入資金を騙取したYに対して、その被害者Xらが不法行為に基づく損害賠償請求をした事案において、平成20年6月24日、最高裁は、実際には米国債を購入していないのにもかかわらず配当金名目でYからXらに交付された金銭について、損益相殺等の対象として損害額から控除することは民法708条の趣旨に反するものとして許されないとしました。

<判旨> 破棄差戻し

社会の倫理,道徳に反する醜悪な行為(以下「反倫理的行為」という。)に該当する不法行為の被害者が、これによって損害を被るとともに、当該反倫理的行為に係る給付を受けて利益を得た場合には、同利益については、加害者からの不当利得返還請求が許されないだけでなく、被害者からの不法行為に基づく損害賠償請求において損益相殺ないし損益相殺的な調整の対象として被害者の損害額から控除することも許されないものというべきである(最高裁平成19年(受)第569号同20年6月10日第三小法廷判決参照)。

 前記事実関係によれば,本件詐欺が反倫理的行為に該当することは明らかであるところ、Yは、真実は本件各騙取金で米国債を購入していないにもかかわらず、あたかもこれを購入して配当金を得たかのように装い、Xらに対し、本件各仮装配当金を交付したというのであるから、本件各仮装配当金の交付は、専ら、XらをしてYが米国債を購入しているものと誤信させることにより、本件詐欺を実行し、その発覚を防ぐための手段にほかならないというべきである。

 そうすると、本件各仮装配当金の交付によってXらが得た利益は、不法原因給付によって生じたものというべきであり、本件損害賠償請求において損益相殺ないし損益相殺的な調整の対象として本件各騙取金の額から本件各仮装配当金の額を控除することは許されないものというべきである」

<コメント>

 損害賠償請求においては過失相殺や損益相殺がなされることが多いので、平成20年6月10日判決(本ブログで紹介済み)及び本件判決が実務や他の事件における下級審判決において与える影響は大きいでしょう。

 最高裁判所の判例検索システムに、本件判決の全文が掲載されています。

http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=02&hanreiNo=36505&hanreiKbn=01

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