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2008年5月 8日 (木)

電子契約法(電子消費者契約及び電子承諾通知に関する民法の特例に関する法律)の解説

電子契約法(電子消費者契約及び電子承諾通知に関する民法の特例に関する法律)は、平成13年12月25日より施行され、ネットで商品・サービスを購入するときには欠かせない法律です。新司法試験用法文にも掲載されています。

そこで、今回は電子契約法について端的に解説します。

電子契約法は、①消費者が行う電子消費者契約の要素に特定の錯誤があった場合、②隔地者間の契約において電子承諾通知を発する場合の2点について、民法の特例を規定しています。

①電子消費者契約の要素に錯誤があった場合

民法95条ただし書は適用されません(電子契約法3条本文)。

つまり、消費者に重過失がある場合でも無効を主張できます。

例えば、事業者(売主)の作成したホームページ画面上で、消費者が商品を1個だけ購入する意思だったのにうっかり注文数を11と入力してしまった場合、要素の錯誤として契約の無効を主張できます。

ただし、事業者が確認画面を設けるなどしていた場合には、民法95条ただし書の適用があります(電子契約法3条ただし書)。

※ 電子消費者契約とは消費者と事業者との間で電磁的方法により電子計算機の映像面を介して締結される契約をいいます(電子契約法2条1項)。したがって、ネットオークションなど個人間の取引には適用されません。また、自ら電子メールを書いて申し込んだ場合には、映像面を介して締結されたとはいえないため、適用されません。

②隔地者間契約で電子承諾通知を発する場合

民法526条1項及び527条は適用されません(電子契約法4条)。

そのため電子承諾通知では、承諾通知に関する発信主義が適用されない結果、民法97条(隔地者に対する意思表示)の原則(到達主義)に戻り、承諾通知が申込者に到達した時点で契約が成立することになります。

※電子承諾通知とはメールやFAXなどによる承諾通知を言います。

※4条の適用は電子消費者契約に限られていないため、個人間の電子承諾通知の場合にも到達主義となります。

※民法97条の意思表示の到達時期について、判例は「相手方が意思表示を承知しうる状態にあるとき」としています。よって、電子メールで承諾通知を行う場合には、相手方のメールサーバー(POPサーバ)のメールボックスに記録され、相手方がアクセスすれば受信可能な状態となったときに承諾通知の効果が生じ、その時点で契約成立になると考えられています。

これを機会に、錯誤、契約成立の時期について勉強しましょう。

<経済産業省ホームページ>

http://www.meti.go.jp/kohosys/press/0002246/0/011225denshikeiyaku.htm

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