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2005年9月28日 (水)

裁判官報酬減額の合憲性

「最高裁は28日、最高裁裁判官の退職金を約3分の1程度に減額することを決めた。」

「大都市勤務者に手厚い「地域手当」を導入することを決めた。」

このような記事が載っていました。

裁判官の退職金を減額するのは憲法違反では?と一瞬思いませんか。

「(裁判官の)報酬は、在任中、これを減額することができない」(憲法第79条第6項後段)という規定に違反しているような気が・・・

実は2002年にも月給の減額がありました。

このとき最高裁の裁判官会議では、公務員の給料の減額に合わせて裁判官の報酬を減額することは許される、と判断を示したんですね。

まあ、そりゃそうでしょう。

まず世間からみて、一般の会社員の平均給料が減額しているときに裁判官の報酬だけ減額しないのはおかしい!

つぎに憲法から判断します。

確かに憲法の言葉をそそまま理解すると、んー、違憲では?となります。

でも、憲法が裁判官の報酬の減額を禁止しているのは裁判官の独立を確保するためです(趣旨)。

行政が税金を徴収して各官庁等にその割り当てを行いますが、行政機関にとって好ましくない裁判官(国側敗訴の判決をするような裁判官)の報酬を減額しようと考えなくもありません。

逆に言えば、裁判官の独立が害される恐れがなく、かつ、報酬の減額に合理的理由があれば、裁判官の報酬が許されて良いでしょう。

2002年の月給の減額も今回の退職金の減額も、好ましくない裁判官を排除するなどの意図はなく、裁判官の独立を害する恐れはありません。また、裁判官の報酬の減額は「景気低迷」「財政支出削減」が叫ばれる中、一般公務員の減額に合わせて行われますから、合理的な理由があります。

結論としては、退職金の減額は憲法第79条第6項に違反せず、でしょう。

ただ、裁判官の報酬を一律減額した上で、大都市の裁判官勤務者に手厚い「地域手当」をするというのは、全国あまねく司法サービスを充実させようという司法制度改革の趣旨にそぐわないものだと考えます。

地域手当を導入するにしても、ただ単に大都市の民間企業に報酬を合わせることはやめて欲しいですね。

裁判事務以外の活動(裁判官による課外授業など)も評価の対象に!

なお、今回の決定は最高裁の裁判官会議がなしたものですが、人事院勧告の影響を受けているようです。

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最高裁判事退職金3分の1 裁判官給与も構造見直し だそうです。 人事院勧告を受けての決定らしいですけども。 でも、最高裁判所の裁判官はあまり冷遇してはいけないと思います。 行政書士の勉強してて知ったんですけど、終審である最高裁判決って、 後々の司....... [続きを読む]

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