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2005年7月26日 (火)

衆議院解散は無効?(郵政民営化法案)

郵政民営化法案について、首相は「不成立で終われば、必ず解散する」と言っているようです。

郵政民営化法案は衆議院で可決しているので、あとは参議院の判断を待つのみ。

もし、郵政民営化法案が参議院で否決され、衆議院が解散された場合、なぜ、衆議院で否決された訳でもないのに解散されなければいけないのか?

衆議院議員の方々は、「納得できない!」と思うのではないでしょうか。

この解散によって議員資格を失った者が、この解散の無効を求めて裁判所に訴えを提起することも十分に考えられるので、このような者から自分が弁護士として相談・依頼を受けた場合を想定してみよう!

お客様(依頼者)に対して、「これまでの判例をみれば、統治行為論という考え方によって、衆議院の解散については司法審査の対象外であると判断されると思われます」などのように答え、訴えを提起しないことを勧めるという選択肢もあり。

次に、お客様が「訴えたい」と言ったため、訴えを提起したとしよう。現実に、最高裁が判例を変更して解散が司法審査の対象とされることはないと思われるが、裁判において「解散権の限界」について主張する意義はあるでしょう。

憲法7条3号により解散の実質的決定権が内閣にあるとして、内閣は自由に解散できるか?つまり、解散に限界はないのか?限界があるとして、どこが限界か?という問題。

「まず、解散は国民に対して内閣が信を問う制度であるから、理由なく、無制限に認められるものではない。そして、解散は、内閣不信任決議の場合(憲法69条)のほかは、①衆議院で内閣の重要案件が否決され、または審議未了になった場合、②政界再編成等により内閣の性格が基本的に変わった場合、③総選挙で争点にならなかった重大な政治的課題に対処する場合、④内閣が基本政策を根本的に変更する場合、⑤任期満了の時期が接近している場合などに限られる。したがって、衆議院で否決されていないにもかかわらず、内閣の一方的な都合により解散することは不当である。」

と主張することになるのかもしれませんね。

ちなみに、私は郵政民営化に賛成ですよ。

真っ向サービス!してくれる郵便局が好きです。

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コメント

参議院で否決されたからといって衆議院を解散するのは、ちょっと変なかんじがするかもしれませんが、自民党は前の衆議院選挙のさいに、郵政民営化を公約としていたわけですから、参議院で否決されたとしても、政権政党が衆議院選挙の公約を果たせなかったことから、衆議院を解散するということは、一応の論拠があると思いますが、いかがでしょうか。それとも、公約に対して、政権政党は無責任でよいのでしょうか?

投稿: サム | 2005年8月 2日 (火) 01時25分

自民党は公約において郵政民営化を重要事項としていた訳ですから、民営化の実現が困難となった場合、解散することができるということは、論拠があると思います。解散は民意を問うためにあると思うのですが、解散総選挙でどの政党が勝っても、民営化について民意がはっきりしない気がします。

投稿: 田村誠 | 2005年8月 4日 (木) 05時06分

「衆議院解散は無効?(郵政民営化法案)」で書いたことは、解散で議員の資格を失った衆議院議員から弁護依頼を受けたことを前提にしています。つまり、仮定事例です。
当該議員の資格を取り戻すためには、結論とし衆議院解散を無効としなければなりません。ですから、無効とする論理をどう組み立てるかを考えた訳です。
実務では、まず、お客様が求めるもの(結論)から、その根拠、論理を考えます。そして、その結論の実現可能性(判例、その変更の可能性など)を考え、社会的妥当性を考えながら、最良の手段を選択していきます。
手段選択の際には、お客様の時間的負担、金銭的負担、心理的負担、社会評価的負担などを考えます。

投稿: 田村誠 | 2005年8月 7日 (日) 14時37分

衆議院の郵政解散の法律論は参考になります。

投稿: 落選させるべき議員リスト | 2005年8月10日 (水) 22時00分

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